リビングのすみに転がったねずみのぬいぐるみ。お気に入りのじゃらしが、今日もソファの下から見つかった——。
猫と暮らしていると、「おもちゃ」はただの道具ではなく、ふたりの関係をそっと育てる存在だと気づかされます。
今回は、100円ショップ「ダイソー」で手に入る猫のおもちゃを特集。
300円・500円の本格アイテムから、手作り・収納まで、暮らしに寄り添う選び方をご紹介します。
この記事を読むとわかること
- ダイソーの猫おもちゃを価格別に比較できる
- 100均素材で手作りする猫おもちゃのアイデアがわかる
- おもちゃの収納術で部屋も猫も快適になる
ダイソー猫おもちゃ|価格別おすすめアイテム特集
棚の隅にころんと置かれたおもちゃに、猫がそっと触れる。
その気配だけで、いつもの午後がちょっとやわらぐ——そんな時間を100均で手に入れられたら。
この章では、300円・500円のちょっと特別なアイテムから、100円の定番まで、「猫のしあわせ時間」を支えるグッズを、猫目線と飼い主目線の両方でご紹介します。
300円おもちゃ:コスパと遊びごたえのバランス
ダイソーの「キャットボールトイ」は、ピンクとグレーの2色展開で、組み立てると丸い3段構造に。
300円(税込330円)でありながら、ケージの中にもすっぽり収まるコンパクトさが魅力です。
前足でボールを追う姿はまるで小さなレーサー。
動画では「コレが300円なんてすごすぎ」なんて声も聞こえるほどの夢中具合 。
300円だから気になったらすぐ試せるし、壊れても買い替えやすい。
キャットボールトイは、“毎日ちょっと違う時間”をくれる魔法の箱です。
500円おもちゃ:トンネルや大型アイテムで遊び場が広がる
500円(税込550円)で手に入るのは、「キャットトンネル」。
軽量なポリエステル製で、折りたたみ可能なのに、中は意外とゆったり。
3通りの通り抜け口+天井の穴があって、猫が飛び乗ったり、くぐったり、おなかを見せてごろ寝したり。
実際、「猫たちが集って検品している」(飼い主の声)というほど人気で、2週間ほど使っても壊れず「購入してよかった」との口コミも。
500円という価格は、運動不足やストレス解消を応援してくれる、“遊び場リビング化”の第一歩です。
100円シリーズ:じゃれ棒・ねずみ・ボールの王道セット
100円のじゃれ棒には、ねずみや魚モチーフ、またたび入りタイプも。
ぬいぐるみ部分だけを交換できる付け替えパーツがあるから、棒部分はそのままに、くたっとしたぬいぐるみだけを入れ替えて長く使える。
またたび入りの「ねずみじゃれ棒」は、猫の本能をくすぐるひと品で、遊び終わると控えめに毛布の下に置いておく猫も。
100円だから、「試して、だめでも後味が軽い」のが飼い主の気持ちにもやさしいのです。
100均素材で手作り猫おもちゃ|やさしさが伝わる遊び道具
手のひらにのる小さな毛糸のケリぐるみ。
100円ショップの毛糸を選ぶ時間から、もう猫との会話が始まっています。
色や素材を選ぶのは、まるでふたりで選ぶおやつのように、静かだけれど楽しい時間です。
毛糸・布でつくるケリぐるみ:においとぬくもりを添えて
白や淡いグレーの毛糸で編むケリぐるみは、自分の匂いがつきやすく、猫にとって安心感のある遊び道具に。
中に少量の綿とまたたびを忍ばせれば、ケリケリと転がしながら遊ぶ姿が見られます。
ふわふわの布を巻いて仕上げると、その質感で「これ、飼い主が作ったんだな」と猫もわかる気がして、愛おしさがじんわり広がります。
ストロー・フェルトでじゃらし:軽さと動きで夢中に
100円ショップでそろうストローとフェルト。
ストローに小さめのフェルトをくるっと巻いてリボン結びにすれば、軽やかなしっぽじゃらしが完成。
揺れるたびにくるくると回る動きは、手首にも嬉しく、猫もその動きを見逃しません。
遊び時間が終わると、フェルトだけ交換できるのも、長く付き合う暮らしの工夫です。
安全に遊ぶための工夫:誤飲・誤食を防ぐポイント
100均素材は手軽ですが、小さいパーツには注意が必要です。
接着部分は100円ボンドで二度塗りし、遊び終わったらすぐ交換部品を入れるジッパー袋に収納。
ストローや毛糸の端は切りっぱなしにしないよう、ライターで軽く炙ってほつれ留めすると、ほぐれて口に入るリスクが減ります。
こうしたひと手間が、安心して一緒にいられる小さな約束です。
ダイソーグッズで実現!猫おもちゃの収納アイデア
床に落ちたねずみ、カーテン裏に隠れたボール、引き出しのすみに押し込まれたじゃらし……。
猫と暮らしていると、おもちゃの居場所はいつも“旅の途中”のようです。
でも、ちょっとした収納の工夫で、「またこれか」から「今日はどれにしよう?」に変わる。
ダイソーには、その“ちょっと”を叶えるアイデアが詰まっています。
ピンチバスケット収納:遊んだらそのままポイでOK
ダイソーの「ピンチバスケット」は、S字フックでケージや棚にぶら下げるだけ。
じゃらしもねずみもまとめてポイ。
片づけというより、“猫の休憩所”みたいに、おもちゃがそっと戻ってくる場所。
猫が中をのぞいて、「これまだある?」なんて顔をすることもあります。
仕切り付きケースでジャンル分け:じゃらし・ボール・替えパーツ別
クリアな仕切り付きケースに、おもちゃを種類ごとに収納。
じゃらしは横向きに寝かせて、ボールや替えパーツは仕切りごとにコロコロ。
透明だから中身が見えて、「どれで遊ぼうか」が猫にもわかる。
この“選べる感じ”が、遊びそのものをもっと楽しくします。
猫目線の“見える収納”で、選ぶ楽しさもアップ
ワイヤーネットにポケットケースを並べると、まるでおもちゃ屋さんの棚。
猫が自分で鼻をつっこんで、好きなものを引っ張り出してくることも。
「見える収納」は、飼い主のためだけでなく、“猫の好奇心”にも居場所をつくってあげること。
そう考えると、収納もまた、関係を編む時間になるのです。
猫とおもちゃと、ふたりの時間が変わる瞬間
おもちゃをくわえて持ってくるときの、あの得意げな顔。
ひとりで遊んでいたはずなのに、気づくと隣に来て、じゃらしをじっと見つめる目。
猫にとっておもちゃは、ただの“暇つぶし”じゃなく、「今、あなたと過ごしたい」という小さな合図なのかもしれません。
よく遊ぶおもちゃ=“気持ちが合ってる証”
何種類かのおもちゃを並べても、猫が決まって選ぶのはいつも同じひとつ。
くわえてきたり、隠したり、大切そうに扱う姿を見るたび、「ああ、これがこの子の“心に合ってる”なんだな」と感じます。
人でいえば、ふと手に取ってしまう本やマグカップのように——猫にも、“なんとなく、落ち着く”ものがあるんですね。
おもちゃが日々の安心感をつくる:ルーティン化のすすめ
決まった時間におもちゃを出す習慣をつくると、猫はそのリズムを覚えて「待っていたよ」という顔をします。
朝食のあと、夜の片づけ前。ふたりにとっての“遊び時間”が日々の合図になれば、不安な日も、落ちつかない夜も、おもちゃが“安心のしるし”になってくれます。
おもちゃを選ぶということ=“ふたりの関係”を編むこと
素材や動き、音、サイズ……どれを選ぶかには、飼い主の“願い”が自然とこもります。
「運動不足を解消したい」「たくさん笑ってほしい」「さみしくないように」
——そのひとつひとつが、言葉にならない関係の編み目になって、猫との日々を静かに支えていく。
おもちゃを選ぶという行為は、猫と“どう過ごしたいか”を見つめ直す行為でもあるのです。
まとめ
300円のキャットボール、500円のトンネル、100円のじゃれ棒。
どれも手軽に手に入るけれど、その奥にあるのは、“ふたりの時間を育てる”という静かな願いです。
猫が飛びつくたび、目を細めるたび、「この選択でよかった」と思える。そんなおもちゃが、100均には確かにあります。
選ぶ理由に“高価だから”を加える必要はありません。
大切なのは、「どうやって遊ぶか」よりも、「どんな気持ちでその時間を渡したいか」。
猫と暮らすことは、毎日を“気づき直す”こと——。
だからこそ、今日も小さな道具から、ふたりの関係はやさしく続いていきます。
ライター紹介:黒江 なずな(くろえ・なずな)
※本記事は、架空の猫用品観察エッセイスト「黒江 なずな」によるフィクションです。
記事内の体験談や感想もすべて架空の内容としてお楽しみください。
「猫のしぐさから考える商品選び」をテーマに、観察と心のゆらぎを大切にした文体で、道具そのものより“猫との距離の変化”を描いています。
信条は「猫に合わせて暮らすのではなく、猫と暮らすことで“自分を知る”」。