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猫がおもちゃをくわえて持ってくる理由!枕元に置く・鳴く・ウロウロ歩く行動の心理

猫

夜中にふと目を覚ますと、枕元にぽつんと転がっていたネズミのおもちゃ。

「どうしてここに……?」と不思議に思いながらも、どこかくすぐったいような、嬉しいような気持ちになります。

猫がおもちゃをくわえて歩いたり、鳴いたり、枕元まで持ってくる——そんな行動には、どんな意味があるのでしょうか。

“たまたま遊んでいたものがそこにあった”わけではない気がして、“わざわざ運んでくれた”ように見えてしまうのは、きっと、私たちがその動作の中に「気持ち」を読み取ってしまうから。

今回は、猫がおもちゃをくわえて持ってくる行動の背景にある心理や関係性を、やさしくひも解いてみたいと思います。

この記事を読むとわかること

  • 猫がおもちゃをくわえて持ってくる理由
  • 鳴く・歩く・枕元に置く行動の心理
  • 猫が行動で伝えようとする愛情と信頼
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猫がおもちゃをくわえて歩く理由

一度くわえたおもちゃを放さず、口にくわえたまま部屋の中をトコトコ歩き回る——

そんな猫の姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

遊びの延長のようでありながら、そこには“ただのおふざけ”では済まされない、猫の本能や記憶が息づいています。

狩猟本能としてのおもちゃ運び——成功体験を再現している

猫にとって、おもちゃは“獲物”でもあります。

狩りを模した遊びをして、最後にくわえて歩く——それはまるで、「獲ったぞ」と誇らしげに見せるような仕草。

この行動は、猫が本能的に持つ狩猟行動の延長線上にあり、「成功体験」をもう一度味わっているとも言えます。

特にねずみ型や羽のついたおもちゃは、猫の“狩り心”を刺激するアイテム。

満足げにくわえて歩く姿には、「うまくいった」「ぼく、えらいでしょ?」という誇らしさがにじみます。

母猫の名残——子猫を運ぶような優しいしぐさ

女の子の猫によく見られる行動として、「おもちゃを子猫のように扱う」ことがあります。

くわえ方もそっと優しく、咥えたまま静かに移動する姿は、まるで子猫を運ぶ母猫そのもの。

そこには、育てる気持ちや守りたいという本能がにじんでいる可能性もあります。

飼い主のそばにそれを運ぶのは、「あなたにも見せたい」「守る場所はここ」という気持ちのあらわれなのかもしれません。

猫がおもちゃをくわえてウロウロする心理

お気に入りのおもちゃをくわえたまま、家の中を何度も行ったり来たり。

猫がまるで何かを探しているように、あるいは見せびらかすように歩き回る姿には、複数の感情や目的が隠れています。

ただ“遊んでいるだけ”に見える行動の裏に、猫なりの“気持ちの整理”があるのかもしれません。

落ち着きのなさの表れ?ストレスや不安との関係

猫は環境の変化や人の気配にとても敏感な生き物です。

そのため、気持ちが不安定になると、くわえたおもちゃを持ったまま、意味もなく歩き回るような行動を見せることがあります。

特に、引っ越し直後や同居人の増減、家の模様替え、または飼い主が不在がちになったときなど、猫にとっての“日常”が揺らぐときに起こりやすいです。

「落ち着かない」「どうしていいかわからない」——そんな戸惑いを、おもちゃに気持ちを預ける形で表現しているのかもしれません。

誇らしげに見せびらかしている可能性も

反対に、猫がとても満足げな顔でウロウロしている場合、それは「見て見て!」という気持ちの表れかもしれません。

くわえているおもちゃは、まるで自分の“戦利品”。

得意げに見せびらかすように歩き回る姿には、「ほめてほしい」「一緒に喜んでほしい」という猫のプライドと愛情が混ざり合っています。

そんなときはぜひ、ちょっとだけ声をかけてみてください。「すごいね」「よく見つけたね」——そのひとことが、猫の心を満たしてくれます。

猫が鳴きながらおもちゃをくわえる理由

くわえたおもちゃをぶら下げながら、「にゃー」「んー」と鳴きながら歩くあの独特な行動。

夜中にそれをされて目が覚めた、という方も多いかもしれません。

その声には、単なる遊び以上の、“伝えたい何か”が込められているのです。

「見て見て!」という報告・共有の気持ち

猫が鳴きながら持ってくるとき、多くの場合は“飼い主に見せたい”という気持ちが隠れています。

狩りごっこを終えたあと、自分なりに「獲物を仕留めた」感覚になっていて、それを家族であるあなたに“見せる”“渡す”ために鳴いているのです。

これは、母猫が子猫に獲物を運びながら鳴いて知らせる行動と似ています。

「ここにあるよ」「見てくれる?」という声は、小さくてもまっすぐなコミュニケーションなのです。

注意を引きたい・かまってほしいというサイン

別の角度では、「ちょっとかまってよ〜」という甘えの表れでもあります。

誰も相手をしてくれないとき、構ってほしいタイミングで、おもちゃを持って“アピール”しながら鳴くことがあります。

特に、日中あまり遊んでもらえなかった日や、ひとりの時間が長かった日の夜に見られる傾向があります。

「こんなにがんばったのに、気づいてくれないの?」という声が聞こえてきそうな、少し切ないしぐさかもしれません。

猫が枕元におもちゃを置く行動の意味

気づけば、枕元にそっと置かれているおもちゃ。

まるでプレゼントのように、静かに、しかし確かに“そこにある”もの——

それは、猫があなたに届けた「ことばのいらない手紙」なのかもしれません。

「あなたにあげる」——贈り物としてのプレゼント

猫が狩りごっこのあとに“戦利品”を運ぶように、枕元におもちゃを置いていくのは、あなたへの“贈り物”としての行動だと考えられます。

これは野生の猫が、信頼する相手や子猫に獲物を分け与える習性に由来するものです。

つまり、「大切なものをあなたに託したい」「これを見せたかった」という気持ちが詰まっているのです。

言葉で伝える代わりに、猫はモノを使って「気持ち」を置いていくのですね。

信頼している場所=飼い主のそばに置く安心感

猫にとって、枕元は飼い主のにおいが一番強く残っている“安心できる場所”。

そこにおもちゃを運ぶのは、「ここに置いておけば安全」「この人と共有したい」という本能的な選択でもあります。

とくに、夜中にこっそり持ってきている場合は、「あなたが寝ている間にちゃんと見守っていたよ」「何か大切なものを届けたよ」という、見えないやさしさがこもっているのかもしれません。

猫がおもちゃを“持ってくる”行動の5つの理由

猫がわざわざおもちゃをくわえて持ってくる——

そのひとつひとつのしぐさには、複数の“理由”が重なっています。

本能と愛情、そしてあなたとの関係性の中で育まれた、静かなメッセージを読み解いていきましょう。

① 狩猟本能の名残

猫は本来、狩りをして生きる動物。その本能は、完全室内飼いであっても薄れることはありません。

くわえて持ってくるおもちゃは、猫にとっての“獲物”であり、狩りの結果としての誇らしい戦利品なのです。

② 子猫を運ぶ行動の記憶

とくにメス猫に多く見られる行動として、「おもちゃ=子猫」と見立てて運ぶしぐさがあります。

やさしく、静かにくわえて持ち運ぶ姿には、母猫の記憶がよみがえっているような慈しみがにじみます。

③ 不安やストレスの発散

心がざわつくとき、猫はおもちゃに“気持ち”を預けて行動することがあります。

誰もいない時間、家の中をウロウロしながら何度もおもちゃを運ぶ姿は、「ここにいていいのかな」「誰か気づいてくれるかな」という心の声のようでもあります。

④ 飼い主とのコミュニケーション

おもちゃを持ってくることで、「かまって」「見て」「遊んで」というサインを送っていることも。

猫なりの“話しかけ方”として、モノを通じたアプローチをしているのです。

⑤ 愛情や信頼の表現

あなたの枕元や足元にそっと置かれるおもちゃは、言葉にできない「好きだよ」の証。

それは猫が“共有したい”と感じた特別な瞬間のプレゼント。

持ってくる行動は、単なるルーティンではなく、信頼という贈り物でもあるのです。

“おもちゃを持ってくる猫は賢い”って本当?

「うちの子、おもちゃを運んでくるんです」

そう話すと、「賢いね!」と返されることがよくあります。

でも、猫のこうした行動を「賢い・賢くない」で判断するのは、どこかもったいない気もします。

知能の問題ではなく“関係性の深さ”が見えてくる

おもちゃを持ってくる行動には、指示に従うような知能的な反応というよりも、“誰のために”“なぜそれをするのか”という情緒的な背景があります。

つまり、それは飼い主との関係性の深さ、信頼の強さのあらわれ。

「この人に届けたい」「この人なら、わかってくれる」——そんな想いがあってこそ、猫は静かに行動を起こすのです。

飼い主を感じ取り、行動で伝える力

猫は言葉を使わない代わりに、空気の変化をよく見ています。

今日の飼い主が“元気かどうか”を感じ取り、それに応じておもちゃをくわえて寄ってくることもあるでしょう。

それはまるで、「なんとなく、そばにいたほうがいいと思ったの」というような気配り。

そんな猫の“察する力”こそ、賢さよりも深い知性——私はそう感じています。

まとめ

猫がおもちゃをくわえて歩く、鳴く、枕元にそっと置いていく——

それらの行動のすべてに、“あなたと暮らしていること”への深い実感が込められています。

猫は、自分の気持ちをストレートに表すことはしません。

けれど、モノを通して、行動で、静かに「伝えよう」としてくれます。

お気に入りのおもちゃを運ぶという動きは、猫なりの“共有”。

「これ、君にも見せたい」「これを見て、僕をわかって」と言っているようにも感じられるのです。

おもちゃの隣にあるのは、あなたのにおい。

そのすぐそばで、小さな鼻がぴくりと動いて、安心したように眠りについているかもしれません。

猫との暮らしは、ことばにならない想いの交換。

くわえて持ってくるその一瞬に、「一緒にいる時間」が形になって、あなたの足元に届けられているのです。

ライター紹介:黒江 なずな(くろえ・なずな)

※本記事は、架空の猫用品観察エッセイスト「黒江 なずな」によるフィクションです。
記事内の体験談や感想もすべて架空の内容としてお楽しみください。

「猫のしぐさから考える商品選び」をテーマに、観察と心のゆらぎを大切にした文体で、道具そのものより“猫との距離の変化”を描いています。
信条は「猫に合わせて暮らすのではなく、猫と暮らすことで“自分を知る”」。

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